相続登記でよくあるトラブルとその解決策
- 司法書士 望月大
- 1月11日
- 読了時間: 4分

相続登記は、不動産を相続する際に欠かせない手続きですが、その過程でさまざまなトラブルに直面することがあります。今回は、相続登記でよくあるトラブルと、その解決策を詳しく解説します。
1. 相続人の間で意見がまとまらない
よくあるケース
相続人が複数いる場合、遺産分割協議がまとまらず、相続登記が進まない。
「誰がどの不動産を相続するか」「売却するか保有するか」で意見が対立。
解決策
遺産分割協議を進める
全相続人で話し合いを行い、合意に達する必要があります。
合意内容は「遺産分割協議書」に記載し、全員の署名押印を得る。
専門家のサポートを活用
司法書士や弁護士に仲介を依頼することで、冷静かつ公平に話し合いが進みます。
調停が必要な場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てる。
2. 遺言書が複数見つかる
よくあるケース
異なる内容の遺言書が複数見つかり、どれを有効とするかで揉める。
解決策
遺言書の検証
自筆証書遺言は、家庭裁判所で「検認」手続きを行い、有効性を確認します。
公正証書遺言は検認不要で、原本が公証役場に保管されているため、正確性が保証されています。
無効な遺言書の判別
作成日が最新のものが通常有効です。
法律に不備がある遺言書は無効と判断される場合があります。
3. 相続人が遠方に住んでいる、または行方不明
よくあるケース
相続人が遠方に住んでいるため、署名や押印がスムーズに進まない。
相続人の一人が行方不明で、連絡が取れない。
解決策
遠方の場合
書類の送付方法を確立する。
郵送で署名押印を依頼し、返送してもらう際は「返信用封筒」を同封。
行方不明の場合
家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てます。
行方不明者の代理人が手続きに参加する形となります。
4. 被相続人名義の古い登記がある
よくあるケース
相続する不動産の登記名義が先代やさらにその前の世代のまま放置されている。
古い登記では現代の登記手続きに必要な情報が不足している場合が多い。
解決策
過去の相続関係を追跡
古い戸籍謄本を遡って収集し、相続関係を証明する。
必要書類は法務局や専門家に確認しながら揃えます。
司法書士に依頼
過去の相続を含めた一括手続きが必要になるため、専門家のサポートが有効です。
5. 書類の不備や不足
よくあるケース
必要書類(戸籍謄本、住民票、固定資産評価証明書など)が揃っておらず、手続きが進まない。
書類に誤りがある場合、法務局で申請を受け付けてもらえない。
解決策
必要書類を確認
以下の基本書類を準備:
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
相続人全員の戸籍謄本
固定資産評価証明書
法務局の窓口で事前相談を行い、足りない書類を確認。
書類の正確性を確認
書類作成の際は、専門家に内容をチェックしてもらう。
書類の誤記があれば早めに修正。
6. 相続登記手続きを放置した結果、相続人が増える
よくあるケース
相続登記を長期間放置したため、次世代の相続人が増え、話し合いが困難に。
不動産を売却できない状況に陥る。
解決策
早めの相続登記
相続発生後、できるだけ早く登記を行う。
2024年4月からは相続登記が義務化されるため、放置すると罰則が適用される可能性があります。
共有名義を避ける工夫
遺産分割協議で、単独名義にする方法を検討。
7. 不動産の評価や分割方法でのトラブル
よくあるケース
不動産の価値が不明瞭で、相続人間で公平な分割ができない。
不動産を現金化するかどうかで意見が割れる。
解決策
不動産の評価を依頼
不動産鑑定士や不動産業者に評価を依頼し、公平な価値を把握。
換価分割を検討
不動産を売却し、現金を分割する方法を検討。
司法書士や税理士と相談し、税金や費用も含めた計画を立てる。
まとめ
相続登記におけるトラブルは、事前準備や専門家のサポートを活用することで回避しやすくなります。特に、複雑な問題や法律的な対応が必要な場合は、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
早めに対応を進めることで、スムーズな手続きと相続人間のトラブル防止につながります。

L&Mコンサルティング司法書士事務所
司法書士 望月大
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