遠方にある不動産の相続登記を進める方法
- 司法書士 望月大
- 1月4日
- 読了時間: 4分

相続により遠方にある不動産を取得した場合、「現地に行かないと手続きができないのでは?」と心配される方も多いのではないでしょうか。しかし、実際には現地を訪れることなく手続きを進めることが可能です。本記事では、遠方の不動産の相続登記を効率的に進める方法を詳しく解説します。
1. 遠方にある不動産の相続登記に必要な手続き
(1) 相続登記の流れ
遠方の不動産であっても、基本的な相続登記の流れは以下の通り近場の不動産(自宅等)と同じです:
相続人を確定する。
遺産分割協議を行う。
必要書類を揃える。
法務局へ登記申請を行う。
現地を訪れる必要はなく、書類の郵送やオンライン手続きを活用できます。
2. 必要書類の準備
(1) 不動産の特定に必要な書類
登記事項証明書(登記簿謄本)
法務局またはオンラインで取得可能。
固定資産税評価証明書
不動産所在地の市区町村役場で取得します。郵送請求も可能です。
(2) 相続人を確定するための書類
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
相続人全員の戸籍謄本または抄本
被相続人の住民票除票
相続人全員の住民票
(3) その他必要書類
遺産分割協議書
相続人全員の実印と印鑑証明書が必要です。
登記申請書
法務局のウェブサイトでダウンロードできます。
3. 遠方の不動産の登記手続きを進める方法
(1) 管轄法務局への郵送申請
相続登記は、不動産が所在する地域を管轄する法務局に申請する必要があります。ただし、管轄外に住んでいる場合でも、書類を郵送で提出することが可能です。
郵送申請の手順
必要書類を揃える。
登記申請書を作成し、必要事項を記入。
書類一式を管轄法務局へ郵送。
登録免許税を収入印紙で納付(書類に貼付)。
注意点
書類に不備があると手続きが遅れるため、申請前に法務局に確認することをおすすめします。
(2) オンライン申請
法務局の提供するオンラインシステム(登記・供託オンライン申請システム)を利用して、相続登記を申請することも可能です。
オンライン申請の手順
法務局のオンラインシステムにアカウントを登録。
必要書類をPDF形式でアップロード。
登録免許税を電子納付。
メリット
郵送や現地訪問が不要で、手続きが迅速に進む。
登記費用の支払いもオンラインで完結。
注意点
書類のスキャンやデータ作成が必要なため、パソコン操作に慣れていない方にはややハードルが高い場合があります。
(3) 司法書士に依頼する
遠方の不動産の相続登記をスムーズに進めるために、司法書士に依頼するのも有効な方法です。
司法書士の役割
必要書類の収集を代行。
登記申請書の作成と提出。
手続き全般のサポート。
メリット
書類不備や手続きミスを防げる。
相続人間での調整や複雑な登記手続きも安心して任せられる。
依頼費用の目安
報酬:5万円~10万円程度。
登記費用(登録免許税など):固定資産税評価額 × 0.4%。
4. 注意点とトラブル回避のコツ
(1) 書類の不備に注意
戸籍謄本や住民票の発行日は、できるだけ最新のものを用意しましょう。
書類不備があると手続きが遅れるため、事前に法務局や司法書士に相談することをおすすめします。
(2) 相続人間での調整を早めに行う
遺産分割協議が整わないと登記が進められません。相続人全員が納得できる形で早めに話し合いを進めましょう。
(3) 登記を放置しない
2024年4月から相続登記が義務化されます。期限内に手続きを行わないと、罰則が科される場合があります。
5. まとめ
遠方にある不動産の相続登記は、現地を訪れることなく進めることが可能です。郵送やオンライン申請を活用すれば、手間を最小限に抑えられます。また、司法書士に依頼することで、手続きの負担を軽減できるため、状況に応じて専門家のサポートを活用しましょう。
早めの準備と正確な手続きで、遠方の不動産の相続登記をスムーズに完了させましょう!
■東京都中央区銀座8-8-15 青柳ビル6階
L&Mコンサルティング司法書士事務所
司法書士 望月大
東京都の決済・相続、埼玉県の決済・相続、千葉県の決済・相続、神奈川県の決済・相続、栃木県の決済・相続、群馬県の決済・相続、茨城県の決済・相続
相続登記(名義変更)は全国対応
Comments