自筆証書遺言の検認手続き
- lmhoumu1
- 2024年12月17日
- 読了時間: 4分

故人が自筆で書き残した遺言書は裁判所で検認を受ける必要があります。自筆証書遺言の検認手続きは、遺言者が死亡した後に家庭裁判所で行う法的な手続きです。検認の目的は、遺言書の形状や内容を確認し、その後の偽造や紛失を防ぐことにあります。
1. 検認の必要性 遺言の検認
自筆証書遺言は、遺言者が自分で書いた遺言書のことです。
遺言書が家庭裁判所で検認されないと、遺産分割や相続手続きを進めることができません。 ※ ただし、公正証書遺言には検認手続きは不要です。
2. 検認手続きの流れ
(1) 検認の申し立て
申立人: 遺言書の保管者や相続人。
申立先: 遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所。
必要書類:
遺言書(封筒に入っている場合は開封せずそのまま提出)。
被相続人の死亡届(または戸籍謄本)。
被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本 下記※1 参照
相続人全員の戸籍謄本。
申立人の住民票。
検認申立書(家庭裁判所の公式サイトでダウンロード可能)。
(2) 裁判所による通知
家庭裁判所から相続人全員に検認期日が通知されます。
(3) 検認期日での手続き
申立人や相続人が出席します(全員出席する必要はありません出欠は自由です)。
裁判所で遺言書が開封され、内容や形式が確認されます。
(4) 検認済証明の発行
検認が完了すると、裁判所から「検認済」のスタンプが押された遺言書が返却されます。 ※この遺言書をもとに遺産分割手続きを進めます。
3. 注意点
遺言書の開封禁止: 遺言書は勝手に開封してはいけません。開封すると5万円以下の過料が課される場合があります。
検認は遺言の有効性を保証するものではない: 検認は遺言書の有効性を判断する手続きではなく、形式的な確認をするだけです。遺言内容が法的に無効とされる場合もあります。
4. 費用
申立手数料: 800円分の収入印紙。
郵便切手代: 各家庭裁判所によって異なります(数百円~数千円程度)。
5. 申立て先の管轄裁判所を調べる方法
被相続人が亡くなった時点での住所地を管轄する家庭裁判所を調べるには、裁判所のサイトで確認できます。以下のリンクから確認できます:裁判所の管轄区域
6. その後の流れ
検認済みの遺言書をもとに、不動産の名義変更や預貯金の解約などの相続手続きを進めます。司法書士が代理することもできます! 😊
※1 なぜ出生から死亡までの戸籍が必要なのか
相続人の確定被相続人の家族関係を明らかにし、法定相続人(配偶者、子ども、父母、兄弟姉妹など)を確定させるためです。
被相続人に子どもがいる場合、相続人は配偶者と子どもになります。
子どもがいない場合は、次に親や兄弟姉妹が相続人になります。
婚姻や離婚の履歴確認
再婚している場合や認知した子がいる場合など、戸籍を通じてすべての相続人を確定します。
非嫡出子(婚姻外で生まれた子)の確認認知された子どもも相続人に含まれるため、戸籍をさかのぼって確認する必要があります。
具体的に必要な戸籍
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を揃える必要があります。
被相続人の最終本籍地の戸籍
戸籍謄本または全部事項証明書(最新の戸籍)。
改製原戸籍
戸籍制度の変更によって改製された古い戸籍(昭和改製や平成改製)。
過去の婚姻、離婚、死亡などの履歴が記載されています。
除籍謄本
被相続人の死亡によって除籍された戸籍。
出生時の戸籍
被相続人の出生地から記録が確認できる戸籍。
相続人の戸籍も必要
被相続人だけでなく、法定相続人全員の現在の戸籍謄本も必要です。これにより、相続人がすべて存命であることや、続柄を証明します。
戸籍の取得方法
請求先被相続人の本籍地を管轄する市区町村役場で請求します。
本籍地が不明な場合、住民票の除票などを活用して調査します。
必要なもの
申請者の身分証明書(運転免許証など)。
被相続人との続柄を示す書類(戸籍謄本など)。
申請理由(相続手続きのため)。
郵送請求も可能市区町村の役場に郵送で請求することもできます。
注意点
被相続人の戸籍が複数の市町村にまたがる場合もあります。その際は本籍地を順にたどりながら戸籍を揃える必要があります。
現在は戸籍の広域交付の制度ができました。本籍地でなくとも最寄りの(住所地、勤務先の近く)役所で取得可能です。
戸籍の内容が古い場合や分かりにくい場合は、専門家(司法書士や弁護士)に相談するとスムーズです。
ご不明点や手続きの進め方についてさらに詳しくお知りになりたい場合は、お気軽にご相談ください! 😊
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